意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
次の日。

1時間目の授業が終わった休み時間。
教室のドアの辺りで『きゃー』と女子の黄色い声が上がった。

何事だろうと思ってそちらを見ると、数人の女子が集まって騒いでいた。

そしてその子達の頭越しにヌッと現れたのは、水嶋先輩だった!

『なんで』と思って見ていると、その女の子達が一斉に私を見た。中には私を指差してる子もいる。

『え? 私?』

水嶋先輩も私を見て、目が合うとずんずんという感じで私に近付いて来た。

何だか分からないけど立ち上がった私に、先輩は昨日、私から取り上げたノートを差し出していた。

ああ、そういう事か…
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