意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
加奈ちゃんに話さなかった私が悪いんだ。
誰だって、親友から隠し事されたら、悲しくなるよね…

「私も、水嶋先輩からアドバイスされたいなあ」

え? そっち?

「加奈ちゃんだって、この間一緒に帰った時、どうしたら強いスパイクが打てるのかとか、聞いてたじゃない?」

「あれは、ほんのちょっとだけだよ。メグちゃんが急に走って行っちゃった後は、水嶋先輩は黙っちゃって、私が話し掛けても、返事もしてくれなかった」

「そうなの? 嫌な感じだね?」

「水嶋先輩は、私なんか眼中にないんだ、きっと」

とうとう、加奈ちゃんの大きな目から、涙がこぼれ出した。
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