意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
バシン

水嶋先輩のスパイクが鋭く相手コートに叩きつけられた。

「先輩、どうでしたか?」

「まずまずだ。次はBな」

「はい」

Bクイックはタイミングがうまく合わず、3回目でやっと先輩はスパイクを打ってくれた。


「次は一人時間差だ。おまえ、自信あるか?」

「ないです」

中学には一人時間差をちゃんと出来るアタッカーはいなかった。遊びでやった事は何度かあったけど。

「そうか。まあ、あまり難しく考えるな。Aのタイミングと位置で、少し高いトスを上げるだけだ」

「はい」
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