意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「私は鈍感だしバカですから、分かりやすく言ってくれませんか?」

「開き直りか。まあ、いい。俺はこの間、あの二人はもうすぐ別れるだろうと言ったよな?」

「はい、確かに」

「その理由を、覚えているか?」

「たしか裕樹先輩に、最近になって気になる女が出来たとか…」

「その通りだ。そして今日、その女が誰かが分かったんだ」

「へえー、誰なんですか?」

「誰だと思う?」

「さあ…分かりません。私も知ってる人ですか?」

「もちろん」

「ん…分かりません。焦らさないで、教えてください」

「いいだろう。その女は…」

「………」

「おまえだよ」

「へ?」
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