《完》心の中の虚像 –幽霊と友達–
――本当だよね。――

 やっと、頭の中で他の言葉が言えた。

 嘘で言ってないよね。

 絶対嘘!!


 授業が終わって、ふらりふらりと廊下に出たら。

「田島が良川か。まさかね。」
「本当だよ。第一希望に『良川』って書いてあったし。」

 と、先生たちが話していた。


――本当だったよ!!!!!――

 とっさに、トイレに逃げ込んだ。

 そして、息を殺して泣いていた。


――やり直そうとしたのに。邪魔して。

最低。もう嫌。女王亜里抄。女王なんか

じゃない。死んで復讐してやる!!――


 悲しみと、憎しみと、絶望、憂鬱・・・・・・

 『マイナスな感情』っと言ったらいいのかな。

 そんな言葉が、いかにも似合う涙を流し続けていた。


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