変な会社のルールブック
プロローグ
家から30分で到着する我が会社『ブルーカンパニー』
私は電車通勤だ。
毎日毎日下り電車に乗り、80%の確率で座って通勤できる。
都内へ通勤している人から見ればなんとも贅沢な生活だろう。
家から徒歩1分で最寄り駅。そこから15分で会社のある駅。
そこから歩くこと7分。会社に到着だ。
会社の方針なのか、それとも社長の方針なのかで始業の9時より30分前に出勤し、毎日掃除をする。この掃除が結構大変で・・・とこの話はまた後にする。

わが社が何をやっているのかというと、コールセンターだ。
バイトやパートを雇い、医療保険を販売しているのだ。

入社1ヶ月の間、私はずっとオペレーターをし、毎日8時間電話をし続けパンフレット送るため営業を続けていた。
今は保険販売の資格を得て、オペレーターの管理や指導をしている。

20歳の頃から、私は金融(主に保険)業界ばかりを渡り歩いてきた。
そこそこの知識があり、そこそこの営業力とトーク術がある。
その武器がこの企業で役立つのか、腕の見せ所である。

毎朝9時30分をすぎるとオペレーターさんたちがわらわらと現れる。
最初の仕事は挨拶をすること。
「おはようございます」
私よりも先に入社しているオペレーターさんばかりのため、当然のごとく舐められる。
「・・・ございますぅ・・・」
と気の無い返事がこだまする。

本当にやっていけるのか・・・一抹の不安がよぎる。

しかし、1番厄介なのはオペレーターさんではなく、他の社員たちなのだ。
私より5歳以上若い上司は、血の気が多い。
昨日も、頼まれた仕事をしていただけなのに
「お前何回休憩取ってんだよ!!」
と突然怒鳴られた・・・
「いえ。休憩ではなく、オペレーターさんにシフト増やしてくださいと声をかけてました」
「・・・・・・・」
・・・・理不尽な罵倒をしたにも関わらず、絶対謝らない上司!
自分の勘違いでも、自分が間違ったことを言ったとしても絶対に謝らない。
自分が1時間に何度も休憩取るから、部下もそうしていると被害妄想もいいところ!
その名もZ主任。
ここのお殿様なのだ。


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