変な会社のルールブック
腐ったみかん
【パンフレットを送る】という仕事は実に単純な仕事。
それだけに忍耐力が必要だ。
1時間に60~70件のお宅に電話をし、パンフレットを見てくれないか?送ってもいいですか?とやっていく。

同じトークの繰り返し、PC操作も単純極まりない仕事。
イレギュラーなことといえば、クレーマーの相手ぐらい。
クレーマーに当たった場合は、私たち管理職が電話を変わって対応するので、オペレーターさんには特にやってもらう仕事はないけれど・・・

そんな単調な仕事の中、独特の雰囲気を持つ一人のオペレーターさんがいた。
その方はMさん。40代半ばの女性で、独身。親元に住んでいる。

変わった人だな。ぐらいの認識はあった。
これだけの人数がいれば、少しぐらい変わった人がいて当然と思っていたけれど
「あれ?オカシイナ」
そう強く思い始めたのは仕事を休みたいと電話をしてきたときだった。

「Mの母親ですが・・・娘が・・・」
え?事故?急病?親御さんが電話してくるなんて!
と、ビックリしたところ、信じられない言葉が出た。

「風邪を引いたのでお休みさせていただきたいんです」

・・・風邪???・・・

風邪でいい歳した大人が親に電話してもらうの?
貴方おいくつよ?
そもそも、ここは会社であって学校ではないぞ。

まさか親御さんにそんなことを言うわけにもいかず、
どのように対処していいのかはっきり言ってお手上げなので
Z主任に代わっていただいた。

私にはまだハイレベルです!
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