愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜

決断


一睡もせず翌朝を迎えてしまったあたし。


肌はボロボロ、目の下にはクマ、髪はボサボサだ。


軽いメイクでごまかして髪を整えた。




今日はあたしにとって重要な日。


失敗は…許されない。


気合いを入れて玄関のドアを開ければ怒りMAXのメーターを越えた魔王様がいるではないか。


それでさっき入れた気合いも段々と萎(しぼ)んでいく気がした。


怒っている内容は多分、昨日のことだろう。


決断をしたから昨日の夜、魔王様…もとい、魁迩の部屋には行かなかった。


それどころか自分の部屋に鍵までかけて魁迩が来ることを拒んでいたのだ。


多分、怒りの原因はコレ。


笑顔が爽やか過ぎて逆に怖いよ。


早く…早く絢、来てー!!!!!!




「ぉはよー、梨羽。 あー今日もいい抱き心地☆ ん? 魁迩もおはよ」


この場の雰囲気には似つかない声で例の如(ごと)く抱き着いてきたのは絢。


しかし挨拶に『魁迩の名前は付け足しました』感が漂っているのはあたしの勘違いだろうか?


多分、あたしが考えていることに間違いはないと思う。


だって絢の顔、小悪魔になってるんだもん。





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