愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜

ってちょっと待とうよ、自分。


何乙女らしくなっちゃってんの!?


百面相をしていたらしく絢に笑われて気づいた。


じゃれ合いになったのは気にしないでください。




家について部屋に入った時、忘れていたことを思い出した。


魁迩との関係━━━…。


絢と付き合ってるんだから、解消しなきゃ。


大丈夫だよ、ちゃんと言えば納得してくれる。




夜。


とうとういつも身体を重ねてた時間がきた。


だけどあたしは行かない。


でも窓の鍵は開けておいた。


魁迩が来てもちゃんと入れるように━━━…。




30分後。


コンコン


窓からノックの音が聞こえた。


開けるとそこには見慣れた魁迩。


多分、魁迩はあたしが行かなかった理由を分かっている。


昼休みにあんなに噂が広がってたんだから。


そしてあたしがこれから言うことも分かってると思う。


無言でベッドへ座る魁迩。


あたしは椅子へと座った。


お互い、無言のまま時間が過ぎていく。


「魁迩、この関係を終わりにしよう」


魁迩から目を逸らさずきちんとそう告げた。





< 42 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop