愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜

すると苦笑いされた。


…?
桐先輩…すみませんが説明をお願いします。


「あー…ただ返事が返ってくるの遅かったなって………」


なるほど。


「ちょっと…自分の世界に入り浸ってた」


視線を逸らしながら返した。




「んじゃオレ、こっちだから!!」


はいはーい………ってえぇ!?


いつの間に靴箱に到着してたんだよ!?


てか…桐先輩、行動がめちゃくちゃ早いよ。


だってすでに後ろ姿さえ見当たらないんだよ?


凄いな………。




━━━4限目。


結構騒がしい授業でないとお腹の音が聞こえるかもしれない時間。


そんな思いのあるあたし達の4限目は………理科で実験。


グループでワイワイしながらするからかなりいい授業だ。


そして今日の実験は………天秤を使うものであった。


天秤…ねぇ。
なーんか嫌な思い出しかないんだよな。


そういえば…中学の時、人を天秤にかけていたことがあったな。


あの時あたしは『そんなことしてどうなるんだ』って冷めた目で見ていたが今ならその子の気持ちが分かるかもしれない。


実際…かけていたようなものだしね。





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