小さな恋のうた
その日は珍しく、モモと登校した。

途中までビトも一緒にいて、3人で昔みたいに話せるようになっていて、なんか懐かしい。

商店街を抜けると、ビトは自分のこれから住むことになる、松本のおじさんのマンションに帰って行く。



「じゃあ夕方にまた行くね。」

「ああ、例の件よろしく!」



帰ったらさっそく、あのジイさんに電話しなきゃ。



モモが僕達の内緒の計画に不信そうな顔をする。


「なに二人で企んでるのよ?」

モモには内緒だよって、ちょっとワクワクして言った。



ビトがアイドル事務所に入るって言ったら、こいつはどう思うのかな?
俺にやれって言った時みたいに、ノリノリで喜んでくれるかな?



まあいいや、どっちにしても、ビトがモモのためにやりたいって言ってる気持ちは、何とか伝わればいいなって思っていた。










部活が終わって疲れて帰ってきたら、ビトはもう遊びにきていて、モモと仲良く二人でゲームをやっていた。

なんか、あれだけ嫌がってたモモの態度が今朝からすっかり変わっていて、なんかちょっと変な気分。
余計な心配することなかったなってちょっとホッとした。


「レンお帰り~♪おやつあるよ。」


モモが機嫌よくおやつの用意してくれて、ちゃんと牛乳までついでくれた。

僕は手を洗って、二人が仲良くゲームしてる後姿を見ながら、母さんのおやつを食べる。


二人とも、ちょっと大きくなっただけで、去年とちっとも変わらないのにな。
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