小さな恋のうた
そして週末には、二人で六本木の稽古場であるスタジオまで出かけた。

僕は部活終わりだったので、制服のまんまで。

ビトはいつもそうだけど、さらっとオシャレにかっこいいTシャツを着てる。


一応母さんにだけはちゃんと話しておいたけど、他のみんなには内緒にしてきた。



指定の時間にスタジオに入ると、もう先に何人もおなじ年くらいの男子が集まっている。

なんかみんな、僕よりずっとかっこいい気がするな・・・


ちゅーか、僕はただの付き添いだから、適当にしておこうっていちばん後ろにいたんだけど、どうしてもビトと一緒だと目立っちゃう。



体育座りをしてみんなで並んで待っていると、何人か事務所の人とか、ダンスの講師らしき人がやってきて、前から順番に自己紹介することになった。

みんなハキハキと元気よく挨拶していて、やる気満々って感じ・・・
僕の順番もきて




「二宮蓮です。12歳です。得意なスポーツは野球です。」




とか、適当に言ってすぐに座った。



最後にビトの番もきて名前を名乗ったら、みんなが一斉に振り向いた。

やっぱみんな知ってるんだな・・・ちょっとざわついた気がする。


ビトは注目されたのが恥ずかしいのか、ちょっともじもじしながらすぐに座った。
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