小さな恋のうた
そして僕らも、みんながいる下の部屋にいって、宴会の輪の中に加わった。


暫くすると父さんも帰ってきて、今日もかなりの人数になっている。
みんな楽しそうにお酒を飲んでいる。

僕たち三人も、その隅で大人達の話しの餌になりながら、いつものように過ごした。



久しぶりに遅くまで起きていて、みんなが帰った後、最後にビトとべべさんも自宅に帰っていった。


モモはさっきすねていた時とは別人のように、笑顔でビトにバイバイをして見送った。
ビトはちょと淋しげな顔をしながら、それでも笑って手を振りかえした。



あれ?なんかデジャブかな?こんな風景遠い昔に見たような気がした・・・




ああ、きっとこの二人は、昔から変ってないからなんだな。





いくら泣いたって、モモはあの頃からずっと強い子だったもん。



僕はそんな二人を見ながら、僕にはまだこない小さな恋のうたを思い描いていた・・・









おしまい
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