手をつないで。



今、どんな表情をしてるの?

真っ赤になってるのかな。


「あたしも、手、つなぎたい。椎兎と」


「…うん」


あたしのおなかに回されていた椎兎の手に手を重ねる。

少し躊躇いがちにその手を握り締めてくれた。


「えへへ、あったかい…」


感極まって語尾が掠れてしまった。

初めて唇を重ねたときよりも。

初めてひとつになったときよりも。

感動してるかもしれない。


「…茅」


「なあに?」


ご機嫌に返事すると椎兎の手が服の上から胸に触れた。


「なにっ?」


慌てて椎兎の手首を掴んで動きを止めさせる。


「なに、って…さっきの続き」


耳元で囁かれる声は低くて甘い声。

さっきまでの照れた椎兎はどこ行っちゃったの??


「…茅」


ああ…もう。

こうなった椎兎は止められない。


「手、つないでてくれる…?」


「余裕」


恋人つなぎをしながらのベッドでのひと時は今までで1番満たされた気がした。



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