CALL =フィヨルド=
「お待たせしました。フィヨルドくんと…エルメスくん。入国許可が下りました。」


このドアを開ければラオウ、というところで、二人は門番から『携帯電話』をもらった。


「………?これ…なに?」



「これは『フォン』と呼ばれるラオウにおけるほぼ全ての役割と担うものです。」


身分証明書、財布、通常機能、ネット機能など、外出中必要なものとして全ての機能を有した万能機である。


ICチップが埋め込まれており、硬貨や紙幣といった『現金』の無いラオウでは、フォンによる『電子マネー』が常識であり、金銭が関わる全ての機関にレジ代わりにICチップ読み込み機がある。


フォンは初期登録した所有者、つまり持ち主以外には反応しない。

加えてGPS機能や耐水性、耐衝撃性と、一携帯として破格の防御力と存続力を有しているため、命の次に必要な存在だが、無くした国民は
0.01%にも満たない。



「CALLから試験通達など、必要なことは全てフォン一つできますので、片時も離さないようお願いします。また、自己充電機能もあるため、対外プラグによる充電は不要です。」




あらかたの説明を聞き、いよいよ入国の瞬間を迎える。


「では、ラオウへようこそ。」


扉が開かれ、室外の日光によって一瞬視界が消える。





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