CALL =フィヨルド=
「俺の武器は『グレイアロー』、属性は『光』。

パルスの発動量によって空間にグレイアローを無数に展開でき、相手を囲えれば全方位から攻撃できる。矢も俺の意志で放てる。」


グレイアローから手を離しても、ふわふわと浮遊し、自動で矢が引かれていく。


機械のように放たれた矢は100m離れた木に激突し、貫通し、次の木に突き刺さった。


「今のは抑えていたが、全力ならあと8本ぐらい貫いてたな。

もちろん弓を打てば打つほどパルスを消費するし、グレイアローを多く展開すれば、それだけ疲れる。」


再び光を纏ったグレイアローが弾け、姿を消した。


「レジェンドがなぜ産まれ、なぜ存在するのか?ナイルの言ったように、再び戦争が始まる際の各国の兵力となるのか、それは未だに解明されていない。」


「カイン先生!」

今までずっと黙っていたエルメスが手を挙げた。


「ん?」


「僕たちはレジェンドじゃないんですか?」


「いい質問だな。レジェンドはなにも産まれたころから初めから『先天的に』レジェンドってわけじゃない。

しばらくして突然レジェンドとして覚醒する『後天的』レジェンドもいる。

つまり、エルメスもアイもフィヨルドも、いつかレジェンドになることもある。最も、何が理由で覚醒するかも解明されていないんだがな。」


「へぇ~、なってみたいなぁ…レジェンドに…」

カインに憧れるエルメスからすれば、レジェンドになることは、カインに近づくのと同義だった。


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