小春日和


受信ボックスを開いてメールを見る。

≪小春ちゃんどこにいるの?紗乃先輩がさがしてるよ≫


そう言えば紗乃ちゃんに言ってなかったな。
日和にありがとうと返して教室に戻ることにした。

紗乃ちゃんは怒るとこわいからな〜。



「もうっ!どっか行くなら言ってよね」

拗ねたみたいに唇を尖らせる紗乃ちゃん。
ごめんね。と謝ったときこちらに歩いてくる一人の男の子に気が付いた。

「あっ会長だ」

私が呟くとさっきまで膨れていた紗乃ちゃんはパッと笑顔になって勢いよく振り向いた。

「悠太くーん!」


ぶんぶん手を振る紗乃ちゃんは子犬が尻尾を振っているみたいでつい笑ってしまった。


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