蒼い桜


「こんな話をいきなりして信じてもらえるとは思ってません。でも話させて下さい。」


『わかった。話を聞くよ。』


「ありがとうございます。実は私達は未来から来たんです。」


『未来?』


「えっと…今から約160年後の日本からやって来ました。」


『えぇっ!?それは本当にかい?』


「驚くと思いますが本当です。私もさっき年を聞いて分かりました。」


『そうなのか…。それで、行くあてはあるの?』


「いえ…。」


『それならここにいたらいい!』


「えっ?そんな、これ以上ご迷惑をおかけする訳には…。」


『そんなこと気にしなくていいんだ。この時代は物騒だから、住む所がないと大変だ。』


「ありがとうございます…っ。」


『あぁっ…泣かないで。』



私は嬉しくて、涙が止まらなかった。


見ず知らずの、しかも未来から来たなんて言う女にこんな親切にしてくれる人がいるなんて。






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