ACcess -縁-
さて…。
ここまで話せば分かるかな?

俺らは双子。
泉と歩。
似た顔、思想、服装、姿形。

これが俺のコンプレックス。
今はまだ薄らいだこの感情。
しかし昔は酷かった。

そうだ…だから甘い物も食べるのをやめたんだ。
それはそういう理由だった。

とにかくアイツと仲良くしたかったが、自我がそれぞれ生まれてしまい、双子という事実に注目して欲しくない気持ちが勝っていた。


一緒にされるのが嫌だった。
一緒だと思われるのが嫌だった。
一緒が嫌だった。

俺は俺。
アイツはアイツ。

ちゃんと判別して欲しかった。
だから自分の片割れと思われてる方が嫌いだった。

双子タレントや双子で仲がいい人を見るとムカムカした。
何が二人で一緒が楽しいんだと。
それをちやほやして何が面白いのかと。


だけど…大人になるにつれ、アイツに対する反抗心が薄らいでいくのが分かった。

それは諦めだったのか、何だったのかは分からない。
ただ、その思いをアイツに打ち明けた時から俺達の輪郭は濃くなっていった。

泉と歩、二人の人格がしっかりと区別できた。


逆に今は双子の関係に依存するような感じがあった。

わざと同じ服装にしたり、同じ髪型にしたり…。


今は同じゲームのアバターをほぼ同じ容姿にして遊んでいる。
隣同士の部屋なのに…
バラバラにログインしてネットの中で再会していた。
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