死霊むせび泣く声
 いくら一日中パソコンの画面を見て、キーを叩き続けるのが仕事であったにしても。


 また出社すれば、否応なしに高村や礒野と顔を合わせる。


 俺はストレスを感じながらも、最寄の駅まで歩き続けた。
 

 改札口で定期を通し、電車に乗るため、ホームで待つ。


 本来なら、社まで電車を使わずに歩いていけるのだが、俺はさすがに往復歩きじゃきついので、あえて交通機関を使っていた。


 もちろん帰りなどに仲間たちと飲んで、終電がないときなどは、夜道を歩いて帰る。


 俺は会社に過大(かだい)な交通費を請求しないでいいように、徒歩で出勤することもあるにはあった。


 まあ、別に交通費の支給と言っても、月額一万円とちょっとで微々(びび)たる金額なのだが……。
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