死霊むせび泣く声
ていた。


 俺はそんな後ろ姿に惹(ひ)かれていたのだし、実際里夏と付き合い出してから、彼女に夢中になっている。


 里夏がトイレに入っていき、しばらくしてから、出てきた。


「誰もいない」


「だろ?聞き間違いだよ」


「そうだといいんだけど……」


 彼女がそう言って、ベッドへと戻る。


 俺が思わず抱いた。


 強く抱けば抱くほど、女としての色香が漂ってくる。


 俺は里夏の髪に残っているシャンプーの残り香を嗅ぎ取りながら押し倒し、また口付けた。


 ゆっくりと何度も何度もキスし合う。


 そして俺たちは再び交わり始めた。
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