カプリッチオ症候群








「…別れてください…」









 震える唇を押さえて言った。


 嶺はただ無表情で、何を考えてるかさっぱり。


 何も言わないってことは…肯定なんだよね…?


 あたしは嶺の手を振り払った。


「……ごめんね…」



 あたしはそれだけ言うと、また走りだした。


 涙でぼやけてよく見えない。

 明日なんか、来なきゃいいのに。



 →next それもまた、ひとつの愛のかたち
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