この青空を君へ。
あれから私たちは毎週金曜日の夜、公園のベンチで色々な話をした。

大学のこと。
友達のこと。
絵のこと。
私が失恋したこと。
あの歌は元樹が彼女に振られた時に作ったこと。
元樹はケイとは知り合いではないけど、ケイと同じ大学だってこと。
年は私より1つ上だってこと。
毎日ほとんど授業に出ずにバイトしてるかギターを弾いてるってこと。
金曜の夜だけここにいること。


「どうして金曜だけここにいるの?」
そう尋ねた私に彼は少し困ったような笑顔で「・・・秘密」と言った。


話が途切れたら歌を。
歌うのに疲れたら話を。

彼が歌っているとき、私は外灯の光の下で彼の姿をスケッチして。




こうして私たちは夏の夜を過ごした。

連絡先を聞くことも、次に会う約束もしないまま、ギターとスケッチブックを手にただ金曜日を待った。



「私のために曲作ってよ」
「いつかね」

ふざけて言った私に彼は優しく微笑んだ。
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