水音
店員はあたしを入れて4名。

紗季さんは今年でミソジになるそうだ。

全然見えないんだけどね。

スタイル抜群で、肌もツヤツヤ!
しかも五歳の子持なんだから驚きだ。

詳しくは知らないけど、シングルマザーだという。

昔大きい会社の経理課にいたらしく、経営はほとんど彼女がヤリクリしているようなモノだった。




地元の専門学校生の健太クン。

昼間は学生さんなので主に夜バーの手伝いをしている。
あたしのイッコ下で快と同い年だけど、落ち着いた感じだ。

まだそんなにしゃべった事ないから分からないけど。




そして、店長のコウさん。

長身で快とは違ったタイプだけど、カッコイイ部類に入るだろう。
バツイチで二人目の奥さんがいる35歳。

紗季さんといいサギだなぁ…

夜のバーにはコウさん目当ての女性客も多い。


「おはよ!悠奈チャン今日も可愛い〜♪」

コレがコウさんのあいさつ。
まぁ、女の子にはみんなそんなカンジなんだけどね。

「ありがとうございますッ」

あたしもとびきりの営業スマイルで返答する。

35歳のくせにチャラチャラしてあたしは正直苦手だ。


でも、仕事はプロだった。

センスはとにかく群を抜いて良かった。

コウさんが目をつけた物はよく売れていたし、店のディスプレイ仕方もすごいカッコイイ!

そして、あたし達が身につける物にも煩い。

その服に靴が合わないとか髪型がどーだとか…


でも、コウさんに誉められるときは何倍も嬉しかった。


< 16 / 78 >

この作品をシェア

pagetop