水音
突然、下腹部に違和感を覚えた。

トイレへ行くと、少しだが血がついている。






「赤ちゃんが流れかかっています。切迫流産です。すぐに入院して下さい。」

病院へ行くと、そう告げられた。



え…?

赤ちゃんが死んじゃう…?



あたしはそのまま入院した。

しばらく仕事を休むので、店に電話をすると、コウさんはすぐ駆け付けてくれた。

不安と心細さで押し潰されそうて゛、コウさんの掌の温かさに涙腺が緩む。

「こッ…コウ…さ…ッ」

「バカだな。泣くな!赤ちゃんも心配するだろっ」

また頭を撫でてくれる。


病院へはコウさんや紗季さんがお見舞いに来てくれた。




快の姿はなかった。





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