水音

「まだ退院したばかりなんだから、ゆっくり休みなよ。」


コウさんは店の奥のソファに連れて行ってくれた。

早めに店を閉め、コウさんはずっと頭をなでてくれた。

家へも帰らず、何も言わず、ただそばにいてくれる。

掌から伝わる温度が安心させてくれた。






低く優しい声

頭の上のリズム

伝わる体温




あたしを夢の世界へ導いていく……






目が覚めたら、全てが夢だといい……



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