甲子園の奇跡
「心!心ってばあ~」

「あ、ごめんね」

「もうっ!途中からずっと上の空だったし」

「うん」

話し掛けられても、上の空は未だ続行中。


「…野球部にしようかな」

「え?まさかマネージャー?やめときなよー。野球部なんて絶対大変だよ」

あたしがぼそっと呟いた言葉に、奈々は過敏に反応し引き止めてくる。



だって、さっきの野球部の彼、カッコよかったんだ。

テレビで見たセンバツ大会の野球部の人、彼だったらいいななんて淡い期待を抱いていた。


運動部、特に野球部なんて汗臭くて男臭いイメージしかなかったけど、凄く爽やかな笑顔で、キラキラと輝いていて、もっと彼を傍で見てみたいと思った。


恋は一瞬のきっかけで始まる。

待つより、近づかなきゃ…ね。


好きになったら一直線。

ど真ん中直球のストライクを投げ込んでみせます。
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