Promise at Christmas
-12月24日-

クリスマスイブ。


起きてすぐ飲み物が欲しくなり1階に下りると、これから出かける所なのか綺麗に身支度を整えた智帆の姿。


「お兄ちゃん、あたし出かけるから」

「あ、そう」

「そう、じゃなくて。家にお兄ちゃんしかいないんだから、出かける時は戸締りしていってね」


寝起きの頭でぼんやりと考えながら、俺は薄目で智帆の顔を見た。

未だはっきりとしない頭の中。


昨日は夜中からヤケ酒と称して、部屋で朝まで飲んでいた。

その後も部屋の片付けをしたりと、結局眠りに就いたのは朝の10時過ぎ。



「ずっと寝てたの?もう夜だよ。こんなんで明日から大丈夫なの?」

智帆の口うるさい所は母親にそっくりだ。


「分かった分かった。もういいから」

いい加減うんざりしながら俺は投げやりに返した。


「そろそろ行くから」

背中を向け、部屋から出て行こうとする智帆。


「あ、それと…」

しかしくるりと振り返って再び何かを言おうとする智帆を見て、まだ何かあるのかと言わんばかりの表情で俺は顔をしかめた。
< 35 / 45 >

この作品をシェア

pagetop