゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚



「ん。」


「何ですか?」



今日もおいしくお弁当を食べ終えた私に、先輩が食べかけのいちごプリンを差し出してきた。


いちごプリンはうちの高校の購買で
毎週水曜日に10個限定で売られてる超幻のプリンだ。


先輩はこのいちごプリンが大好きらしく
毎週水曜日、大事そうに味わってた。


そんな大事なものをなぜに?



「この前のお詫びだ。」



顔をそらしながらぶっきらぼうに言う先輩の口元にはプリン上に乗ってる生クリームが付いてる。


そんなお茶目で不器用で可愛い先輩に、思わずニヤケてしまった。



「フフッ…ありがとうございます。
頂きます。」


「おう、味わって食えよ。」


「はい。」



ひと口ひと口、大切に味わった。
いちごの果肉の粒つぶが甘酸っぱくて…
ちょっと涙が出そうだった。


うれし涙。


甘くてとろけそうなくらい美味しいプリンを幸せな気分で頂いてた…その時!



「なぁ、杏。」


「はひ?」



あぐらをかいて、ずっと私が食べてるのを見ていた先輩が呼んだ。


先輩の方を見ると、


え?


あのニヤリとしたいじわるな笑み…?



「お前分かってる?それ。」


「へ?」


「俺の食べかけ。」


「はぁ…。」


「間接キス。」


「あ~間接キス。」




……………っ!!!



「んきゃぁーーーーーーーっ!!!」



せ、先輩と、かかか、間接キスしてしまったぁ!!!



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