゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚



―――――――――・・・



「誰も来なかったな、結局。」


「たまたまです。」


「いつもだろ。」



一歩前を歩きながら、しれっとそんな嫌みをいう高原先輩。


何?このひねくれた感じ。
さっきは…ちょっと優しいと思っちゃったりなんちゃったり…したのに。



結局、私は図書室を閉め、高原先輩とともに学校を出た。



私は思い出していた。
図書室で高原先輩に言われたことを…。



『俺がお前を変えてやるよ。』



男の人にこんな事を面と向かって言われたのは初めてだった。


そもそも他人に何か自分のことで言われたのが初めてだった。



高原先輩は、何で私なんかに目をつけたのかな?


というか、何の目的で?


分かんない。



私を変えるって…どうする気?



私は変わらなくていい。


今のままでいい。


このまま、目立つことなく平穏な学校生活を送りたい。




< 32 / 156 >

この作品をシェア

pagetop