人魚と海賊の恋物語   ~恋歌~
「これは…?」

「それを飲めば、人間になれる。」


魔術師からそう聞いたルカは、嬉しそうに笑いー…

「本当っ!?」


「…しかし、人間になる変わりにー…お前の大切なものも…失うことになるぞ?」

「…大切なもの?」

それを聞き、不安になるルカ。


「何を失うかは、分からない。」


「あのっ…人魚にはー…戻れるの?」


「戻れるさ。…次の満月までに、愛する者とキスをするばー…」


(愛する者とキス…?)


「娘、これは覚えておき。満月を過ぎたら、元には戻れなくなるよ。それにー…そう長くは生きられない。」


「そんなっ…」

レーラの言葉を聞き、嬉しさから、怖さへと変わるルカ。


「…よく考えな。お前次第だょ」


(ー…)
「…わかりました。」


魔術師から、小瓶を受け取り、その場を後にする。
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