誠に生きた少女

第三話


奥村が働き出してから、一週間がたった日の朝。
土方の部屋には、近藤と優希の姿があった。

「山崎の報告は聞いたか?」
「はい。どうやら間違いないようです。」

土方は文机に肩肘を付き、悩ましげに頭をかいた。

「ったく、上は面倒ばっかり押し付けやがる。」
「歳、しょうがないさ。会津藩の松平様がいなければ、新選組の今はない。」

そういう近藤も、顔には苦悩が表れていた。

「優希、お前今回はどうする?」
「そりあえず、もう少し烝に情報収集をしてもらいます。」
「零だけでいいのか?」
「・・・今回は。」

そこまでで、各々が考えに落ちた。


新選組を管轄している会津藩から、近藤が呼び出されたのは奥村がやってきた日だった。
そして、零番隊への特任務が下されたのだ。


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