先輩に一直線。

出会い

次の日、教室に入るとまたもや翔太は大きな輪の中心でにこにこ笑っていた。
ああ、なんだろうなー・・・。翔太の笑顔って、見てて飽きないんだよねー。。。
すっごく楽しそうに笑うんだから。。。

なーんて考えてると、翔太がくるっとこっちをふりむいてこっちにやってきた。

びっくりした顔で翔太の顔を見上げた。

「おはよ、荻野。」

そういってニッコリ笑った。


う、うへぇ、眩しい・・・。
私は一瞬クラっとすると、気を引き締めて負けじとこっちも
「おはようっ!」
と笑った。

「なあ、荻野、昨日レッドシアター見た??」
「見た見たっ!!」

こんな調子で、朝のHRぎりぎりまで話しこんでいた。
うれしくってうれしくって、授業中も終始顔がにやけっぱなしだった。

なんだかんだいって、私と翔太はすっごく仲がいい。

でも、この関係は友達どまりであって・・・。
友達どまりだからこそ成立している関係であって・・・。
もし、私が翔太に好きを伝えたら、この関係はきっと崩れてしまうから。
だから、私はその先を行かずに、ずっとこの関係を保ちたいって思っていた。
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