紙ヒコ―キ



「あ、あのさ。喉渇いたし、下に降りよ?」





「却下。」





うわー…。葵ってば、譲るつもりない。





「なぁ、何で?」





「きゃっ」





両腕を掴まれて、動く事が出来なくなってしまった。





葵の顔が、あたしにぐいっと近づく。





あたしは俯いて、葵を見ないようにする。





「……え。」





葵の手が、離れて行く。あたしはふいに顔を上げた。





そこには、悲しそうな瞳をした葵。





「…分かった。もう聞かない。」





……ずるい。





そんな瞳されたら。あたし、すごく罪悪感を感じる。





仕方ない。もう言ってしまおう。





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