紙ヒコ―キ



「大きな声で、そんな事言うなよ。」





あたしが言った言葉に、戸惑っているみたい。





自分から聞いておいて、何言ってんの。





「葵に会った時、正直落ち込んだよ。すごく冷たかったから。」





……そう。すごく冷たい目してた。





「だから、余計に気になって。」





誰とも話そうとしなくて、いつも1人でいた。





そんな葵の姿が、見てて苦しかった。





…自分の姿と、重ねていた。





「…でも、本当はすごく優しい人だった。」





あたしを助けてくれた事があったよね。




< 239 / 275 >

この作品をシェア

pagetop