紙ヒコ―キ
「ぷっ…お前、反応遅えよ。」
そう言って、宮地葵はまた笑う。
っだって~!!
あまりにも優しい笑顔に見惚れてて……。
あー恥ずかしいッ。
「ここ、俺ん家だから。」
…“ここ”?
宮地葵の視線の先を辿る。
そこは、あたし達が隠れている、大きな家。
宮地葵に引っ張られて隠れた家が、宮地葵の家だったんだ…。
大きい家だなぁ……。
「ほら、行くぞ。」
「ちょ、えっ!!」
あたしの返事を聞かずに、宮地葵はあたしの腕を強引に引く。