ザ・スキャンダルー芸能人とイジワル記者との恋ー【完】

『一つだけ聞いていい？』

『何？』

『何であたしなの？彼方の時はガキんちょって呼んでたくせに』

『あの日からずっとカナちゃんに会いたかった。だけどあの後、数ヶ月たって涼の家に行ったらカナちゃんは家を出ていってた。涼に理由を聞いても一人暮らししてるってことしか教えてもらえなかった。もう一度会えたときチャンスを逃さないように告白しようと思ってた。彼方の時ガキんちょって言ってたのは出会った頃の涼に似ていたから。あいつ今はあんなんだけど昔小さかったし。それに彼方は彼方でからかいがいがあったからかな』

『何かムカつくんですけど…』

『要はカナも彼方も好きだよ。あんまり深く考えんな』

『そうは言ったって…』

『そろそろ地上に着くんじゃねぇーの？』

『ヤバッ…』

今日一日振り返って確かにあたしは女だった。彼方じゃない素だった。
ドキッとしたのも事実。
あたしは決心した。