夏休みの勉強は『運命の出会い』

「お母さんは呉服屋で働くような彼氏が欲しかった。だから着物屋さんに通った。

女子高生っていう若さをアピールしたくて制服でわざと通った。

買わないと見せかけて、店員さんが選んでくれていた浴衣を買った。

花火大会特有の相乗効果を狙って告白をした。


全部わざとよ?全部自分で作ったわ。

でもお母さんそれを何も後悔しないし、お父さんを騙してるなんて悪かったなんて思わないわ」


どうして、と口を揃えて言う娘たち。


「だって好きになったのよ?」

屁理屈を言うだなんて、なんだか“少女”のよう。

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