年下の王様
友達のため
【陽菜】



会えない分、恋は燃え上がる。



今、そんな気分。



教室で見る斗和に触れたくて…。



我慢して我慢して。



やっと今日、斗和がうちに来る。



遊吾君と遊んでからって言ってたから夕方になるって。



今日は斗和が食べたいって言った白身魚のムニエルに初挑戦。



パン粉とか着けてみたんだけどさぁ…。



焼いたらはがれちゃった…。



できあがったのは少し焦げた白身魚を焼いただけのようなもの…。



また失敗なのかな…。



別のものを作ってごまかそうとした時、合い鍵で部屋に来た斗和…。



「ムニエルって言ったんだけど…。焼き魚じゃねぇかよ」

「だって焼いてたらこうなっちゃったんだもん…」

「醤油かけて食ったらうまそうだな」



いやみなヤツだ!!



料理はそんなに得意じゃないけど苦手ってほどでもないもん…。



「あ゙っ!!」

「なんだよ今度は…」

「ご飯炊くの忘れてた…」

「…………別に陽菜食ってるうちに炊き上がればいいし」



やっぱりその気なんだ…。



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