禁断の恋
『お前、誰?』
「だから、翔って言ってんだろ」
『なんの用だ』
「天道司と天道亜美について。知りたくてきた」
相手の顔を見れば
怒りを込み上げているようだ。
『部外者は知らなくていいだろ。』
「部外者?」
俺が部外者って言えるか?
亜美の傷を癒したのは俺だぜ?
「誰が亜美の傷を癒したと思ってる。司とかいうヤローに見捨てられた子猫を拾ったのは俺だ」
『亜美を子猫呼ばわりか?』
「病室の扉に爪を突き立てて泣いてた。まさに子猫・・・」
あの時の亜美の姿は
誰にも見られてはいけない。
酷すぎる姿。
「心も体もボロボロだった。」
手首を掴んで、
ポケットから剃刀を出す。
その刃を手首に当てて
スパッ
と切る。
『お前・・・なにやって』
「こんな風に血が流れてた。それから優輝とのこと、司のこと。全部聞いた。」
『なっ・・・』
「全部知ってる。こんな俺を部外者呼ばわりするつもりか??」
お前・・・
いや・・・