私の愛した先生。【完】
「お前さ…」
「はい?」
私は熱で少しうるんだ瞳を先生に向ける。
先生が一瞬だけ固まったような気がした。
でもそれは本当に一瞬ですぐにまたいつもの先生に戻る。
「やっぱりなんでもない…」
「言ってくださいよ?」
「また今度にするわ」
「変な先生…」
「明なんか意地悪になったか?」
「先生のせいです」
「なっ…はぁ、もういいから給食食べてて。俺のもとってくる」
そう言って先生は保健室から出て行った。