One's time《短》

金曜日。

俺にとっては一週間で最も憂鬱な曜日だ。

理由は苦手な教科がテンコ盛りだから。

だけどこの後の事を考えればそんな憂鬱な気分も、自然と陽気になる。


部活動に励む生徒たちを横目に、俺は鼻歌まじりで校庭を歩く。

そんな俺を、同じように校門に向かう生徒たちが変な目でみているけど。

俺は鼻歌をバラードからロックにかえて、歩行速度を上げた。


「アマネー!」

校門をくぐる直前に、後ろから聞き慣れた声がする。

仕方なく足と鼻歌を止めて振り返ると、ユージが走ってこっちに向かってきた。
< 2 / 39 >

この作品をシェア

pagetop