さよならLetter

翌日。


今は3時間目。自習。


ボクは柏木に確認する事が出来ないでいた。


朝、教室に入っていざ柏木を見るとなぜか緊張してしまった。


柏木はボクをチラっと見ただけで、何事もなかったかのように山下と話をしていた。


(やっぱりイタズラなのかな?)


そう思って、聞けずにいた。


でも、気になるものは気になる。


ちょっと息を吸い込んで、思い切って後ろを向いた。



自習の課題をやっていた柏木は振り向いたボクをあのデカイ目で見た。


「柏木、あのさ」


ボクが話し掛けても、ただジっとボクの顔を見ている。


「柏木?」


ボクがもう一度呼ぶと、柏木の小さな声が聞こえた。


「ルウコ」


「え?」


「ルウコって呼ばなきゃ返事しない。そう書いたでしょ?」



やっぱり・・・・


手紙を書いたのは柏木だったんだ。
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