さよならLetter

家族


ルウコがボクの家に泊まりにくる。



朝から母親はバタバタと滅多に作らないお菓子なんて作り出すし、夏休み中彼氏の所に入り浸っていた姉貴まで帰ってきていて呆れてしまった。



「別に普通にしてりゃいいんじゃねーの?」


ソファに座りながらボクが言うと、姉貴が「バカ!」と怒鳴った。


「アンタ、あんな恐ろしいくらい美人な子が泊まりにくるのよ!今までのアンタの彼女が遊びに来てたのなんて比べ物にならないの!変な家族だって思われたくないじゃない!」


「・・・それ、今までのオレの彼女にかなり失礼だと思うけど」


「別れてんだからどうでもいいのよ!」



ボクと姉貴のやり取りを無視して母親が割り込んできた。


「ソウ!やっぱりケーキとかでいいかしら?アップルパイと悩んでいるのよ」


「一番カロリー低いのどれ?」


ボクの質問にキョトンとしている。


「別に作らなくてもいいけど、作るならカロリー低いのにして」


「え?ダイエット中なの?」


母親も姉貴も不思議そうにボクを見ている。

一応、簡単にだけは説明しておくか。


「彼女、高カロリーのものあんまり食べれない身体なんだよ。多分、薬飲むから大丈夫だと思うけど。一応、そんな感じだから」


「どういう事?」


姉貴が色々聞いてこようとしたのを母親が制した。


「了解。低カロリーね」


そう言ってニッコリ笑った。



ルウコが来る、それだけで高柳家は大騒ぎだ。

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