さよならLetter

教室に入るとボクの苦手科目の古文が始まっていた。


「高柳、寝坊か?」


古文の教師がボクをチラっと見た。


「まぁ、そんなモンです」


ボクは適当に返事をして席につこうとしたけど・・・


(・・・!?)


バッチリ、ルウコと目が合ってしまった。


ルウコはちょっと笑顔でボクを見ている。


思わず目を逸らせてしまった。


教壇のそばに突っ立ているボクを教師がジロジロと見た。


「お前、大丈夫か?熱あるのか?顔赤いぞ」


「ふぇ!?」


ビックリして返した返事は日本語か?と疑うくらい変なものになった。


クラス中が一斉に笑い出す。


「高柳?」


教師がもう一度ボクを呼んだ。


「あ、あぁ大丈夫っす。今のはふざけただけなんで・・・」


しどろもどろに返事を返すと、また教室が爆笑する。


「まぁ、お前はいっつも寝てるからな。具合悪いならいつも通り寝てれば治るだろ」


そんな教師の嫌味を聞きながら席に座った。
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