さよならLetter
いつもルウコが部活を見学している石段に目をやる。
ちょうど、明日香が友達と喋りながら歩いているのが見えた。
「おい、ソウ!練習中だぞ」
幹太の声を背中にボクは明日香がいる場所までダッシュした。
息を切らせてボクが駆け寄るのを見て、明日香はビックリしていた。
「ソウちゃんどうしたの?」
息が上がってしばらく声が出てこない。ゲホゲホとむせる。
「ちょっと、大丈夫?」
明日香がボクの背中をさすった。
ボクはそれを制して明日香を見た。
「ルウコは・・・」
そこまでいいかけてまた咳き込んだ。
「え?ルウコがどうしたの?早退したでしょ」
一度深呼吸してから今度ははっきりと言った。
「ルウコの病気は何?循環器って心臓か?」
ボクの言葉に明日香は「え?」と聞き返してきた。
「知ってるんだろ?ルウコが病気だって事」
「ソウちゃん・・・」
明日香は口に手を当てて絶句した。