幼なじみは俺様王子。




――放課後。


「またね、穂香」


「うん。また明日!」


あーちゃんと別れたあたしは、家までの道を歩いています。


なんか今日はいろんなことがありすぎて 疲れちゃったなぁ……


ふぅ。

まったく、相沢もけっこういいヤツかと思ったけど超俺様で最悪っ!


でもなんか楓クンに似てるんだよなぁ……


怒った時の目とかそっくり。


なんて思ってる間に、すぐ家に着いた。


――ガチャ


「ただいまぁ……」


「あら、お帰りなさい」


エプロン姿のお母さんが手を拭きながら玄関に顔を出す。


「ご飯出来たら呼ぶわね」


「はぁい」


お母さんはキッチンへ戻っていった。


「はぁ……疲れたぁ~」


部屋に入ると同時にあたしはベッドに寝転ぶ。


『穂香ちゃん!』


ふと楓クンの声が聞こえた気がした。


「…楓、クン」


会いたいな、楓クン。


今ごろなにしてるんだろう……


すると、ガチャっとドアの開く音がした。




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