幼なじみは俺様王子。




「お前に会うまでとっておいたんだよ?」


会えるまでって……


もし一生会えなかったらどうするつもりだったんだろう。


「なんとなく会える予感がしてたから?」


さすがエスパー。


あたしの心を読むだけじゃなくて、予感までも当たってしまうなんて。


すごい、としか言いようがない。


「楓クン……ありがとう」


あたしのためにファーストキス、とっておいてくれて。


「礼言うくらいなら、もう一回キスしろよ?」


「えっ?」


「キス、もう一回」


「む、無理だよぉ…」


あたしからキスなんて恥ずかしくて、とても出来たものじゃない。


「んじゃ……」


今度は何をするのかと思ったら、ニヤリと笑って楓クンはあたしの唇を奪った。


「……いただき」


それは、とっても甘い甘いキスだった。



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