幼なじみは俺様王子。










話し終えたあーちゃんはアイスティーを一気に飲み干した。


あーちゃんにそんなことがあったなんて……。


あーちゃんは固まっているあたしの顔を覗き込んだ。


「今まで話せなくてごめんね?」


「ううん。話してくれてありがとう」


頬を赤らめて話すあーちゃんは“乙女”そのもので。


あんなあーちゃんは初めて見て

あたしは正直、驚いた。


「こないだ、穂香が旅行の話してた時あったじゃない?」


あーちゃんは思い立ったかのように、いきなり話し出した。


あぁ、あの時……


あーちゃんが「今日はサボリ」って帰っちゃった時だよね。


「あの時、実は湊斗と会う約束してたんだ」


「そ、そうだったの!?」


あーちゃんがもうそこまで発展してるとは……。


なんか、意外。


奥手で不器用なあーちゃんのことだから何にもないんじゃないかなって思ってたけど。


そういうあーちゃんも結構いいかも……。





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