ココロ

事件






皆が言う、黒鷹という名は学校名でもあり、また別の名称でもあった。




『黒鷹』

中等部も高等部も同じ、指定の制服は真っ黒の学ラン。
そしてそんな真っ黒な制服に身を包んだ彼らのチーム名を黒鷹と言った。
チームには高等部の生徒のおよそ半数が所属しているらしい。まあ中等部生も一部の生徒は所属しているようだが、そんな一部の彼らというのは高等部に上がればまず幹部入り間違い無しと言われてる、ある意味で将来有望な子達だ。


そしてそんな黒い鷹達を纏め上げている現在のリーダーが、なんと今2年の生徒らしい。
現役の3年を押し退けてのリーダー就任とのことで、一体どんな人物かは知らないが相当恐ろしい人物に違いない。

恐らく裕也や南くんのように、そちらの世界に身を置く者達ならばもう少し詳しい情報を知っているのだろうが、私のような平凡な一般人が知り得る情報はここまでだ。
これも噂で聞いただけなので信憑性は無い。









「(…それにしても、裕也は大丈夫なのかなあ)」


まず間違いなく、昨日の裕也達の喧嘩の相手は黒鷹だろう。
そんなヤバい奴らに喧嘩なんか打っちゃってあの2人は大丈夫なのだろうか。

そんなことをボンヤリ考えながら、私はバスを降りて学校へと向かった。





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